糖尿病などの慢性疾患の患者への看護

慢性疾患とは、治療が長期にわたり必要な疾患の総称のことを指します。中でも代表的かつ多くの人が患う疾患が、糖尿病です。身近な病気であるため、配属先に限らず看護師は基礎知識として慢性疾患を理解しておくことが大切です。糖尿病とは、血液中の血糖値が高い状態である病気のことで、1型糖尿病と2型糖尿病に大別されます。

1型糖尿病は、インスリン欠乏により糖尿病になっている状態を指します。このタイプは割合的に少なく、年齢に関係なく発症する疾患です。正確な原因はわかっていませんが、1型糖尿病に罹患しやすい体質であることが原因ではないかといわれています。急激な体重減少やのどの乾きやすさ、頻尿などが主な症状です。

糖尿病の中で割合が多いのが2型糖尿病です。40歳以降に発症し、運動不足や太り過ぎ、遺伝などが原因で起こります。2型糖尿病の場合、初期は特に自覚症状がないことで知られており、症状が現れるときもゆっくり徐々に現れるため、気づいたころには悪化しているということが多い疾患です。悪化すると、頻尿や疲労感、空腹やのどが乾きやすい、皮膚のかゆみ、感染症にかかりやすいなどの症状が現れます。

1型糖尿病の場合にはインスリン注射で治療を行い、2型糖尿病の場合には食事療法や運動療法で治療を行います。糖尿病は、一度罹患してしまうと、一生付き合っていく必要がある疾患です。治療を続けても改善が分かりづらいことがあり、中には治療を途中で辞めてしまう患者もいます。看護師は、治療を続けられるよう、患者のモチベーションアップのために身体だけでなく心のケアも行うことが求められます。
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