看護師のサポートが欠かせない慢性疾患の治療

慢性疾患とは、発症までに時間を要しその治療期間も長期にわたる疾患のことを指します。また、一度発症すると完治が難しいのも慢性疾患の特徴の1つです。慢性疾患として代表的な病気は、高血圧や糖尿病、心臓病、リウマチなどが挙げられますがこれらはほんの一例です。慢性疾患の数は非常に多いため、治療にあたる看護師には幅広い知識が求められることになります。

慢性疾患の患者をサポートするために、慢性疾患看護専門看護師という専門資格が設けられています。大学院で修士課程を修了し、実務経験を積んで認定試験に合格することで資格取得が可能です。慢性疾患を抱える患者のほとんどは中年期以上に発症し、年齢の高い人に多く見られる疾患です。

その原因は、慢性疾患が同時に生活習慣病であることが多いためだといえます。生活習慣病は、長年の生活スタイルに起因していることがほとんどです。そのため、慢性疾患の治療には、生活スタイルを健全なものに変えるとともに、薬物療法を用いるのが一般的。慢性疾患を治療するにあたって、看護師に求められる役割は治療や看護の提供だけに留まりません。

先に述べた通り、慢性疾患は生活習慣病であることが多いため、今までの生活スタイルのどういった部分が慢性疾患の要因となっているのかを突き止め、改善するための適切なアドバイスなども必要になってきます。また、慢性疾患の治療は長期にわたるため、患者は精神的にまいってしまいがちです。症状の改善がハッキリ自覚できないため、途中で治療をドロップアウトする人も中にはいます。看護師は、そのような患者がポジティブに疾患と向き合い、治療を続けられるようサポートすることも重要な役割なのです。